MODIFY

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モディファイヤは非常に強力で興味深いツールです。あらかじめプログラムしたシーケンスに対して、数々の機能を単独もしくは複数並行して設定することで、偶発的、または半-意図的ともいえる変化をシーケンスに与えることができます。

  • Qun mk2はひとつのプリセット・バケットごとに8つのパターンを含みますが、各パターンに対して別個にモディファイヤ設定をすることができます。
  • モディファイはパターンに対して非破壊で作用します。もちろん、固定的に適用することもできます。

画面と機能

ボタン 機能 詳細
1 Pattern shuffle
パターン内のステップを並び替える
 GO
2 Transpose
音階をシフトさせる
 GO
3 Width Offset
ノート長を増減させる
 GO
4 Randomness
ノートをランダムに変化させる
 GO
5 Arpeggiator
アルペジエーター
 GO
6 Rewind Period
ステップを巻き戻すポイント
 GO
7 Rewind Steps
巻き戻すステップ数
 GO
8 Apply
モディファイの固定的適用
 GO

Pattern shuffle

「Pattern Shuffle」はパターンにおける”ステップの順序”を組み替えます。ランダムではありませんが、聞き慣れたパターンのステップを前後に組み替えることで、予想外のユニークな結果が得られ、新しいアイデアを引き出してくれるかもしれません。

組み換えのバリエーション
1234
5678
5678
1234
2143
6587
6587
2143
1357
2468
2468
1367
7856
3412
3412
7856

Transpose

「Transpose」は音階のオフセット値を設定します。

  • 設定値:-12 〜 +12
  • スケールクォンタイズ(SEQ Config)の設定を受け継ぐので、音楽的な結果を維持できます。

全体的にパターンの音程をシフトしたいときに便利です。

また、モディファイの効果ではなく実際に値を変更したい場合においても、この「Transpose」を設定したうえで「Apply」すれば、TUNE  でステップごとにチューンを変えなくても、一括して音階を変更できます。

Width Offset

「Width Offset」はノートの長さを増減させます。

  • 設定値:-10 〜 +10
  • グラニュラーを使用した音色で値を大きくすると、再生されるサンプル長が伸びる関係で発音が途切れることがあります。

Randomness

「Randomness」はパターンにランダム性を加えます。

  • 設定値:0 〜 63
  • ランダムとはいえ、単に乱すのではなく、音楽的な効果を考慮したランダマイズです。
  • もちろん、設定値が高くなると音程の高下幅が大きくなりますが……
    • スケールクォンタイズ」を設定しておくことで、偶然性を得ながらも、音楽的な結果を維持できます。
    • Low Limit/Up Limit」を適切に設定しておくことで、音程の高下幅を調節することができます。
      「音程が高すぎて耳障りになった」「低すぎて聞き取れない」などという状況を避けるのに役立ちます。
  • ランダムネスを設定したパターンは、再生中も常に変化し続けます。

Arpeggiator

「Arpeggiator」で効果的な結果を得るためには、「スケールクォンタイズ」の設定が重要です。

  • 設定値:OFF 〜 12
  • 設定値における数字は半音階の数を示す。
  • (-)マイナスの付く数字は音階が下がる。
1
1 1 1 1 1 1 1 1
2
2 2 2 2 2 2 2 2
3
1 1 1 1 -1 -1 -1 -1
4
2 2 2 2 -2 -2 -2 -2
5
1 1 1 1
6
2 2 2 2
7
-1 -1 – 1- 1- 1- 1- 1- 1
8
-2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2
9
-1 -1 -1 -1 1 1 1 1
10
-2 -2 -2 -2 2 2 2 2
11
-1 -1 -1 -1
12
-2 -2 -2 -2

手早くアルペジエイターの動作を確かめるには……

  1. 空のパターンの全ステップを「ON」にします
  2. MODIFYでアルペジエイターの値をひとつづつ変化させてみてください。
  3. ステップにTUNEを設定していなくても音階が変化します。
  4. さらに、スケールクオンタイズを変化させると音楽的効果を確認できます。

Rewind period / Rewind steps

「Rewind period」と「Rewind steps」はシーケンサーの周期的な巻き戻しを設定します。
この機能も、聞き慣れたパターンに変化を与えて、バリエーションやアイデアを引き出すのに役立ちます。

  • Rewind period :ステップをいくつ再生したら巻き戻しを開始するか
  • Rewind steps:Rewind periodの位置からステップをいくつ巻き戻すか

現在選択中のパターンの「Seq Ct」の値が、そのパターンにおける「ステップの再生数」であり、値の最大値に達すると、再生はステップ”1”に戻ります。

設定と動作の事例

参考までに 3 つの例を挙げます。

  • パターンの「Seq Ct」は 8
  • シーケンスページ数は 1 とします。

  • 「Rewind period = 2」、「Rewind steps = +3」と設定
  • この場合、ステップが 2 つ進むたびに 3 つ戻るので……
    • 「1 , 2」まで再生、次の「3」に行かずひとつ戻って「2」から再開
    • 「2 , 3」と再生して次の「4」に行かずひとつ戻って「3」から再開
    • 「3 , 4」と再生し……となり
    • ステップ再生順は「1 – 2 – 2 – 3 – 3 – 4 – 4 -5」となります。
    • そしてここで再生ステップ数が8に達するので、最初の「1」に戻ります。
    • その結果、
      「1 – 2 – 2 – 3 – 3 – 4 – 4 -5」->「1 – 2 – 2 – 3 – 3 – 4 – 4 -5」を繰り返し再生することになります。
      (この場合、結果的にステップ6,7,8は再生されないわけです)

  • もし、ここで「Seq Ct」を”12″にすれば……
  • 「1-2-2-3-3-4-4-5-5-6-6-7」を繰り返すことになります(12ステップ再生)。
  • Seq Ct」を”12″にしたことで、パターンのページ数は2に増えます。
    ただし「ステップ 8 以降」は再生されないことになります(合計12ステップ再生したら最初に戻るから)。
  • パターンの「Seq Ct」は 8
  • シーケンスページ数は 1 とします。

  • 「Rewind period = 2」、「Rewind steps = +3」と設定
  • この場合、ステップが 2 つ進むたびに 3 つ戻るので……
    • 「1 , 2」まで2つ再生、次の「3」に行かず「2―>1―>8」と3つ戻って「8」から再開
    • 「8 , 1」と2つ再生して次の「2」に行かず「1―>8―>7」と3つ戻って「7」から再開
    • 「7 , 8」と再生し……となり
    • ステップ再生順は「1 – 2 – 8 – 1 – 7 – 8 – 6 – 7」となります。
    • そしてここで再生ステップ数が8に達するので、最初の「1」に戻ります。
    • その結果、
      「1 – 2 – 8 – 1 – 7 – 8 – 6 – 7」->「1 – 2 – 8 – 1 – 7 – 8 – 6 – 7」を繰り返し再生することになります。
      (この場合、結果的にステップ3,4,5は再生されないわけです)

  • もし、ここで「Seq Ct」を”7″にすると……
  • 「1-2-7-1-6-7-5」を繰り返すことになります(7ステップ再生)。
  • ステップ「1~7」の7ステップの範囲内だけで巻き戻し処理が実行されるわけです。(この場合、結果的にステップ3,4,8は再生されないわけです)
  • パターンの「Seq Ct」は 8
  • シーケンスページ数は 1 とします。

  • 「Rewind period = 2」、「Rewind steps = -3(マイナス値)」と設定
  • この場合、ステップが 2 つ進むたびに 3 つ”先送りする”ので……
    • 「1 , 2」まで再生、次の「3」から「4―>5―>6」と3つ送って「6」から再開
    • 「6 , 7」と再生して次の「8」から「1―>2―>3」と3つ送って「3」から再開
    • 「3 , 4」と再生し……となり
    • ステップ再生順は「1 – 2 – 6 – 7 – 3 – 4 – 8 – 1」となります。
    • そしてここで再生ステップ数が8に達するので、最初の「1」に戻ります。
    • その結果、
      「1 – 2 – 6 – 7 – 3 – 4 – 8 – 1」->「1 – 2 – 6 – 7 – 3 – 4 – 8 – 1」を繰り返し再生することになります。
      (この場合、結果的にステップ5は再生されないわけです)

  • もし、ここで「Seq Ct」を”12″にすると……
  • 「1-2-2-3-3-4-4-5-5-6-6-7」を繰り返すことになります(12ステップ再生)。

……このように、「Rewind period(0~32)」の値と、「Rewind steps(-32~+31)」の値と、パターンの「Seq Ct」数と、シーケンス・ページ数との組み合わせ次第で、再生順はさらに複雑になります。

私はこの部分を実践・検証しているうちに、頭が混乱しそうになりましたが、むしろ、それでいい! と思いました。
「Rewind period」と「Rewind steps」の設定は……もちろん”結果を狙って”行うこともできますが、やはり予想外の結果を引き出して、パターンにバリエーションを与えるきっかけとして非常に興味深い機能です。
原則として、作成した元のパターンは破壊されずに”再生だけに影響”しますので、あまり深く考えず自由に値を変化させて楽しんでください。

注意点としては、

  • シーケンスパターンの総ステップ数である「Seq Ct」の値を増やすと、シーケンスページが増えることがあるのですが、そのとき、パターン上でノートをONにしていないステップは何も再生されないということです(それは当たり前なのですが)。でも予想外の休符が発生するのも、それはそれで面白いかもしれません。
  • たとえば「Seq Ct」の値が「8」の場合、「Rewind period」と「Rewind steps」の値を極端に大きくしても(たとえば 31 とか)、値が小さい時と同じ効果しか得られない場合があります。詳しい説明は割愛しますが、要するに、大抵は「Seq Ct」の値がステップの最大再生数であることに起因します。
    Seq Ct」の値、もしくはシーケンスページ数が多いときに、「Rewind period」と「Rewind steps」を大きな値にするのが有効になるといえます。

Apply

原則としてモディファイヤは「パターンの再生を変化させるだけ」なので、元のシーケンスを壊しませんが、その変化を固定的に適用する(シーケンスを書き換えてしまう)ことができます。

モディファイは、現在選択されているシーケンスページだけに適用され(書き換えられ)ます。シーケンスページが複数ある時は、アクティブでないページに影響はありません。

Applyの例 – 1
  • 現在選択されているシーケンスページだけに適用されることを忘れないでください!
  • モディファイを適用したい段階になったら、8 を押してください。
  • 「Apply mods to Page 1 ?….」とメッセージが表示されますので、OK を押してください。

    上の例では「シーケンス page 1」に適用しようとしています。
  • モディファイを適用しようとすると、最後に「Reset modelifiers?」とメッセージが表示されます。

    通常は OK を押してリセットすることをお勧めします。
    • リセットしない場合、モディファイされた結果にさらにモディファイが作用しますので、混乱するかもしれないからです。
    • もちろん…他のシーケンスのページにも引き続きモディファイを適用したいときは NO を押してください。
    • そして目的のページに移ってから、再びモディファイを適用してください。
Applyの例 – 2

ページ内の一部のステップだけにモディファイを適用することができます。

  • 現在選択されているシーケンスページに適用されることを忘れないでください!
  • モディファイを適用したい段階になったら、8 を押してください。
  • 「Apply mods to Page 1? [ 1-8 ]:Unselect steps」とメッセージが表示されます。
  • そこで、モディファイを適用したくないステップに該当する 18 を押しながら OK を押すと、押さなかったボタンのステップだけに適用されます。
    • たとえば、1,2,3,4 を押しながら OK を押すと…
    • ステップ 5 , 6 , 7 , 8 だけにモディファイが適用されます。

MODIFYのヒント

  • モディファイを固定的に適用すると、元のパターンは上書きれます。
  • 元のパターンを確保しておきたいときは、以下のようにしてください。
    • 現在のパターンを空いているパターンにコピーしておく
    • プリセットを別の名前で保存する
  • モディファイは、8つのパターンそれぞれ別個に設定できますので、ひとつのパターンをもとにして、いくつものバリエーションを展開することが可能です。
  • たとえば、「通常のパターン」と「ランダムネスのあるパターン」を織り交ぜてチェイン再生させれば、意図的なシーケンスと、偶然性を含んだシーケンスによるバリエーション展開が期待できます。

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